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高精度X線ミラーについて

当社ミラーの特徴

  • EEMによって製作されるミラーは、目的の形状に対してナノメートルレベルの形状誤差になるように加工されますので、他の集光方式と比較しても集光性能が非常に優れ、回折限界まで集光することできます。
  • 当社のX線ミラーは、X線の反射面の表面粗さがRMSで1nm未満と凹凸がほぼ無い状態が作り出せるため、集光効率が非常に優れています。
  • 全反射ミラー方式のため、Zone Plateなどの光学素子と比べて色収差もなく、またワーキングディスタンスの自由度も高く、実験設備に合わせた任意の光学系の設計が可能となります。
項目 仕様
長さ ≦ 1000mm
表面形状 平面、円筒、球面、楕円、放物、双曲など
材質 シリコン、石英ガラス、低膨張ガラスなど
スロープエラー <0.05uradRMS
形状誤差 <1.0nm (PV) (もしくは <0.3nm RMS)
表面粗さ <0.1nmRMS (評価領域 100μm×100μm)
コーティング Pt, Au, Rh, Pd, Ag, Ni, Crなど

平面ミラー

1m長さのミラーをPV(Peak to Valley:最も高い箇所(山頂)と最も低い箇所(谷底)の高低差)2nm以下での製作を行うことで、X線を反射する際、散乱を抑制したり、SPring-8などで作り出される放射光特有の均一な光の波面を保持したりすることが可能となります。

弊社ミラーをご使用いただくことで、X線を用いた各種の研究や、分析において、新たな知見が得られることに貢献しております。1m長さのミラーをPV±1nmで製作することは、東京―大阪間500kmをPV±0.5mmで作り上げることに相当します。

Kirkpatric-Baez(KB)ミラー(楕円形状)

目的形状からの形状誤差を2nm以下に抑えることで、回折限界まで集光することができます。
※回折限界とは:光学系における光の回折により制限される解像力や分解能の理論的限界。

集光結果の例を右に示します。 集光径が小さくなることで、 X線を使ったより高分解能な各種の分析が可能となり、医学、薬学、材料学等の研究が促進されます。

集光結果

H.Ohashi, H.Yamazaki, H.Yumoto, T.Koyama et al., SRI2012.  高輝度光科学研究センター ご提供

マルチチャンネルミラー

特長

EEM加工法は局所的な加工が可能なので、1枚のミラー反射面に複数の形状を作製することができます。例えば集光サイズの異なる集光ミラーの形状を複数作製することにより、X線の集光サイズが異なる実験であってもミラーの付け替え作業が発生しないため、設置/調整に要する時間が短縮できます。

モンテルミラー

特長

モンテルミラーは、一般的なKBミラーのように2枚のミラーをビーム方向に対して前後に設置する必要は無く、同じ形状の2枚のミラーを隣り合わせに組み合わせて配置することで使用します。その効果として、KBミラー配置における下流域の入射角の制限範囲を広げることが可能となります。

AKB(Advanved Kirkpatric-Baez)ミラー:1次元ウォルターミラー

大阪大学大学院工学研究科 ご提供

特長

1次元のウォルターミラー(※)をKB配置にすることで、ウォルターミラーの利点を享受することができます。 従来は、1次元のウォルターミラーは、楕円、双曲をそれぞれ別々のミラーで作製されていましたが、KB配置すると、4枚のミラーが必要となり、設置/調整に時間がかかっていましたが、当該ミラーのように1枚のミラー基板に2つの形状を形状誤差1nm程度で製作することで、調整にかかる時間が削減され、同時に回折限界での集光も可能となります。

※ウォルターミラーとは:軸対称の回転放物面と回転双曲面からなり、1つの焦点に集光されます。ミラーに入射する平行光は、 反射面のどの部分に入射しても光路長は一定で、1つの焦点に収束されるため、コマ収差が軽減されます。また、ウォルターミラーは、他のX線光学素子と比較して、集光能力が高いことも特徴です。

ミラーの追加工(追加サービス)

特長

お手持ちのX線ミラーの形状誤差や表面粗さの改善を行います。形状誤差の改善によりさらに小さいX線集光径が得られたり、表面粗さの改善により反射率の向上が期待できたりします。

X線反射面への各種コーティング(追加サービス)

項目 仕様
コート材料 Au, Pt, Rh, Pd, Cr, Ni, Ag など
ミラー反射面に対するコーティング許容領域 1000mm (L:ビーム方向) × 100mm (W:ビーム方向と垂直方向)

X線ミラー反射面において、反射するX線のエネルギー(波長)に合わせたコーティングが必要となります。弊社では、最長1mのX線ミラーまで対応したナノメートルサイズの膜厚分布での各種コート材料によるコーティングを可能としています。また、ご使用によりコーティング面が汚染した場合でも、ミラー反射面のコーティングを剥離したうえで新たにコーティングを行うことができます。