1人の高校生を「研究室の一員」としてラボへ迎えました。単なる見学ではなく、研究者と同じ視線で実験に挑んでもらったのは、ライフサイエンスの進歩を支える原動力が、教科書を超えて一歩踏み出そうとする「好奇心」にあると確信しているからです。「研究環境を開放し、研究者と向き合う場を設けることで、次の一歩を踏み出す力になりたい」――そのような想いから、本プログラムは動き出しました。
ここで芽生えた好奇心が、やがて持続可能な未来を形作る力になると、私たちは信じています。「誰もが質の高い教育に触れ、学ぶ喜びを知る」そんな世界の実現を願っています。

<主なプログラム内容>
・iPS細胞スフェロイドの播種:細胞操作/実験の開始
・観察/細胞数カウント:定量的データの取得
・形態評価/データ処理:取得した情報の解析
・成果発表:考察に基づくプレゼンテーション

細胞の育ち方を左右する「初期播種密度」「培養容器回転数」「培地の気液比率」から、テーマに選んだのは、最も難易度の高い「気液比率」でした。
仮説を立て、自らの手で確かめる。スフェロイドの形態変化や増殖率といったデータと向き合い、試行錯誤を繰り返す中で、研究者ならではの「思考プロセス」を肌で感じてもらいました。
結果が出ずに行き詰まったときも、研究員との対話からヒントを得て、自力で一歩を踏み出す。研究が社会のどこに繋がっているのか共有し、プロとしての誇りを分かち合いました。

今回のCellpet 3D-iPSと気液比率による細胞の状態の実験は、不慣れなこともあり完全に条件を揃えられるほどうまくは行かなかったものの、とても貴重な体験になりました。 生き物を扱う作業は根気強く続けられる忍耐力と、楽しさを見出せる好奇心が重要だと思いました。また直にiPS細胞を使って実験できるという機会はとても興味深く、楽しい経験をすることができました。 このような社会経験は将来、社会に出た時に大きな助けになると思います。


真っ直ぐな眼差しで質問を投げかける高校生との対話は、私たち研究員にとっても、「なぜ自分はこの道を志したのか」を思い出す、原点回帰の貴重な機会となりました。 研究室を「開かれた学びの場」とすることで、科学の楽しさと奥深さを次の世代へ繋いでいく。私たちはこれからも、地域や教育現場と連携し、技術革新のその先にある、明るい未来を描いていきます。