IR情報Investor Relations

株主・投資家の皆様へ

代表取締役社長 津村 尚史
長期的視野のもと、
成長市場へ向けて事業拡大を目指す

当社グループは創業以来、「世の中にないオンリーワンの技術により製品を作り出し、広く社会に貢献する」を経営理念に掲げ、大学や研究機関との連携のもと研究・開発に取り組んでまいりました。2022年6月期は新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生から2年が経過し、景気の持ち直しが期待されましたが、変異種の登場など感染症拡大と収束が繰り返され、さらにロシアによるウクライナ侵攻が始まるなど不確実性の高い状況が続きました。このような状況下で、当社グループはオプティカル、ライフサイエンス、機器開発という独自技術を利用した3事業を柱に、業績向上に努めました。

オプティカル事業においては、主要な販売先である国内外の放射光施設やX線自由電子レーザー施設が概ね通常の稼働状態に戻っており、国内の次世代放射光施設Nano Terasu(旧称 SLiT-J)をはじめ、中国および欧米の放射光施設のバージョンアップや新設計画により、多くの受注を獲得することができました。しかしながら、4月からの上海の長期ロックダウンに代表されるように中国全土にわたり混乱が生じ、輸入が制限されました。またアメリカ向けにおいては、一部仕様変更依頼に対応したため、納品にまで至らない案件がありました。

またライフサイエンス・機器開発事業においては、コロナ禍の長期化に伴い治療薬開発やテレワークへの対応が急務となり、医薬品メーカーや各研究機関を中心に、当社グループ独自の細胞培養を用いた自動化技術を活用した各種自動細胞培養装置の引き合いが活発化しました。一方、当社グループ独自のナノ加工技術(プラズマCVM)を用いた水晶振動子ウエハ加工システムや、子会社である電子科学株式会社の昇温脱離分析装置(TDS)に関しては、主要な取引先である韓国、台湾が、渡航制限の影響により計画達成には至りませんでした。

さて当社グループは、毎年そのときの事業環境の変化に応じて「中期3ヶ年経営計画」を策定しておりますが、当社グループが長期的にどのような技術的課題と向き合い、どのように成長を実現していこうと考えているのか、ご理解いただきたいとの思いから、長期成長戦略「Innovation2030」を2022年5月に策定いたしました。現状維持は経営の最大リスクと捉え、成長が見込まれる半導体分野の新市場や再生医療分野での事業拡大を目指してまいります。同時に、この長期成長戦略に沿った情報を適時開示し、株主・投資家の皆様から得られた貴重な意見や評価をもとに課題解決に努めていく所存です。

当社グループは、今後もグローバルニッチ・トップのモノづくり企業として、持続可能な開発目標(SDGs)やカーボンニュートラルの実現に寄与する製品などを開発し、社会に貢献してまいります。今後とも変わらずご支援とご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長津村 尚史